なぜ飲食店でHACCPをやらないといけないか

現在、飲食店の皆さんは新型コロナウイルスの感染対策で三密を避けなければいけなくなり、客席・客数ともに大きく減って、売り上げと利益の低下に悩まされていることと思います。

そして働くスタッフの皆さんも「もしかしたら自分が感染してしまうのではないか」という不安に日々怯えながら接客をしなければいけないという大変苦しい状況にあると思います。

その上でHACCPをやらないといけないというのでは、正直な気持ちとして「やりたくない」とか、「自分にはできない」と思ってしまうことも、私はやむを得ないことではないかなと思います。

でも安心してください。法律が変わって、私たちがやらなければいけない、取り組まなければいけないHACCPというのは、この苦しい環境でも十分にできる内容となっています。

わかりやすい言葉でいうと、お店の衛生管理を見える化するだけです。

まずはHACCPをやらなくてはいけない理由を理解してもらって、それからHACCPとは何かということを理解して具体的なステップに入っていきましょう。

HACCPをやらなければいけない理由1 「食品衛生法の改正」

改正食品衛生法の施行スケジュール

理由1は先ほど申し上げた通り、法律が変わり、HACCPが制度化されたからです。

図1がHACCPの施行スケジュールですが、約2年間の周知期間を経て令和2年6月1日から施行が開始されています。

厚生労働省HP 「HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理の制度化」資料より抜粋

現在(令和2年12月)は移行期間中、経過措置期間ということになります。今の現在の状態では、営業者、つまり皆さんは、HACCPに沿った衛生管理の導入を進めていただいて、行政処分等の措置は旧基準に基づき実施、つまり現行の基準を遵守していれば違反とはならないという状況になっています。

そして令和3年、2021年の6月1日からは完全施行となり、営業者の皆さんはHACCPに沿った衛生管理を実施し、食品衛生監視員、これは保健所の職員のことです。保健所の職員は許可の更新時や定期的な立ち入りの検査の時に実施状況を確認していく。

詳しく説明しますが、小規模事業者等、飲食の皆さんは手引き書に沿って助言・指導を受けしっかりとHACCPを実施していくということになっています。

HACCPの制度化のイメージ

制度の説明だけだと分かりづらいので、具体例をもってHACCPを制度化がどういうことなのかというお話しをさせていただきたいと思います。

下記の図が厚生労働省のホームページに寄せられた、Q&Aを一部抜粋してきたものです。

図2 厚労省HP「HACCP に沿った衛生管理の制度化に関するQ&A」から抜粋

問18、“飲食店がHACCPに沿った衛生管理を実施していない事業者から仕入れた食材を仕様した場合、食品衛生法違反になりますか。”

という質問が寄せられています。これに対する厚生労働省の答えが

“HACCPに沿った衛生管理を行っていない事業者が原材料等を購入したことが直ちに食品衛生法違反となるものではありません。しかしながら、食品の安全性の確保はフードチェーン全体で取り組むこととなりますので、衛生管理計画に沿って信頼できる事業者から仕入れる、受け入れ時の確認を行う等、必要な対応をお願いします。”

というふうになっています。

ちょっと質問の意味を要約すると、例えば「HACCPをやっていないメーカーさんから皆さんが食材を仕入れることって法律違反になるんですか?」ということを聞いているということになります。

買うこと自体は特に法律違反ではないですけれども、やはりHACCPをやっているということは、今までの「HACCPをとる」といわれる、いわゆる品質の問題から「HACCPをやらなければいけない」という法律違反の問題になったということになります。したがって、法律が変わるということは生活が変わるということを意味します。

つまりHACCPをやらないと、食品関係の仕事は堂々とできないということになっています。

逆にいうと、皆さんにはHACCPをやっていただいて、堂々と飲食店を運営していっていただきたいというふうに考えています。

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