「味守りメニュー」第1弾の「あぐー持帰りシュウマイ」
想定される食中毒原因をしっかりコントロールできているかどうかについて、検査センターで微生物検査を行った。今回はその内容を写真とともに紹介する。

衛生管理で飲食店の新型コロナ対策を応援するプロジェクト。
「衛生管理の見える化」「待たずに受取り」「SNSでのお店とファンの情報交換]を徹底し、それぞれのお店のファンとお店をつなぐ仕組み。
このプロジェクトを通じて、飲食店での「テイクアウト・物販商品の安全確保」と「小規模飲食店の新たな営業方法の確立」を模索する。  

目標の消費期限:3時間
【写真】消費期限検査のために準備された商品

 「よろしくお願いします!」と少し緊張した表情の金城弘明料理長と金城貴雄マネージャーに見送られて、受取り時間(午前11時)をしっかり確認した後、保温バッグに入れて検査室へと「検体」を運ぶ。

 「味守りメニュー」の開発にあたっては、全ての商品の賞味/消費期限検査を行って、そのデータを公開することを登録条件としている。
 お店でお客様に直接召し上がっていただく「食事」と、買う人によってその保存温度・時間も大きく異る「テイクアウト商品」では、食中毒のリスクが大きく違うので、衛生管理のレベルを上げる必要があるからだ。

 そのため、開発したメニューについては、現状の衛生管理の方法で「安全に食べることができるか」をしっかり確認する必要がある。作ってから「30℃程度の気温」で徐々に温度が下がり、食べるまでの時間が「3時間以内」であることを標準的な食べ方と想定して検査をする。
 確かに、食中毒予防の観点からは、コンビニ弁当のように製造後、すぐに10℃以下に冷やして流通することが望ましいが、味守りメニューは「外食の代わりに」プロの味を食べてもらうことを想定している。そこで、温かいままゆっくり冷め、微生物が増えやすい「30℃」という「危険な温度帯」を通過して、「3時間」の消費期限をクリアすることを目標に検査をし、安全性を確認する。

どのような結果であれば、「クリア」と言えるか

【写真】30℃の恒温庫(インキュベータ-)に保管される検体

※食品衛生検査指針では、検査の対象になる食品のことを「検体」と定義して、受取り(サンプリング)から、検査法までを細かく規定している。
どの検査機関で検査を行っても検査結果にばらつきがでないように、基本となる検査法がしっかりと定められている。


では、どのような検査をして、どのような検査結果であれば消費期限を決めるため基準をクリアしたと判断できるのか。
 下記に食品中で微生物(病原微生物含む)が増えるグラフを示す。


【グラフ1】食品中の微生物の増え方のグラフ 途中で一気に増える(②対数増殖期)があるのが特徴的

 微生物は、1個が2個、2個が4個と倍々に増えていく。その増え方をグラフにすると、菌数がゆっくり増える①誘導期、一気に増える②対数増殖期、③もうこれ以上増えなくなる定常期、④食品中の栄養バランスが崩れて、死んでいく④死滅期に分ける事ができる。

 テイクアウト商品は、そのまま食べることのできる「弁当・惣菜」に該当し、衛生規範によって定められた「一般生菌数:10万個以下」「E.coli・黄色ブドウ球菌:陰性」という基準をクリアする必要がある。
 

実際の微生物検査風景

 検体の微生物検査については、食品衛生法ならびに衛生規範等の「公定法」(法規等で定められた検査方法)で実施される。
 検体の外観撮影、サンプリング、前処理・段階希釈、シャーレへの植菌・培地分注、培養と一つ一つ丁寧に、手順を守って作業を実施していく。

【写真】サンプリングと前処理。検体をまんべんなく採取し、25g秤量して、10倍希釈液を作る。
【写真】培養前の培地。菌を閉じ込めたシャーレに培地(菌を増やす栄養素を多く含んだ寒天)を注いて、菌数を数える準備をする。

検査結果とその解釈

「良かった!菌数が基準値内でした!」

 検査が週末にかかったため、日曜日に検査員から速報が入った。微生物検査は基本的に培養時間が決まっているため、土日関係なく検査業務が発生することがある。
 お客様への報告は、最終確認を経て月曜日になるが、検査員としては自分が関わった検体が基準値をクリアするとやはり嬉しいもので、速報を入れてくれた。
 検査結果は良好であった。30℃4時間保存後の菌数は、10の3乗。「弁当およびそうざいの衛生規範」で定める加熱惣菜の基準の10の5乗以内に収まっていた。
 安全係数0.8(ばらつきを考慮して、最終合格期間よりも短く期限を設定する。)を掛けて、「3時間」の消費期限を維持できる検査結果が得られた。
 今後は、今回の製造条件を衛生管理計画にしっかりと記入して「チェック方法」として定め、記録を行う。
  金城マネージャーへ報告をすると「万が一の事故が起きないように、しっかりと管理します。」と頼もしい言葉をいただいた。  
   

【グラフ2】あぐー持帰りシュウマイの菌数 30℃4時間後の菌数は、基準までまだ余裕があるが、ばらつきを考慮して、3時間に設定。

本サイトで、味守り応援メニューが注文できるサイトへリンクする予定です。お楽しみに!
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いち早く、「あぐーの持帰りシュウマイ」が食べられるチャンスがあります!