第15話【実況中継】点と線

前回は、コロナ禍においてますます重要になってきた、繁盛の二大法則をできるだけ身近に感じていただくために「お店のブランド化」の成功事例をご紹介しました。

今回は引き続き「お客さんとの定期的な接触」の事例をご紹介させていただきます。参考にしていただければ幸いです。


正月明けにかかってきた電話

まだ正月気分が残る2016年1月半ば、事務所に一本の電話がかかってきました。

「やってみるもんですねー。まだ半月たってませんが、“あれ”だけでもう30万の売上です。」昨年からサポートを始めた、あるお店の店主の明るい声が、電話の向こうから聞こえてきました。

“あれ”とは、12月後半に実施した、来店客への手渡しカードと既存客へのDMのこと。なかなか反応がいい。レスポンスは15%を超えています。

内容はいたって普通。「○○(お店の名前)年末ジャンボ宝くじ」と題し、くじ付のカードを12月の来店客と既存客に配布しただけです。

別に豪華賞品を設定したわけではありません。お店のディナー券やドリンクサービスなど、1月にお店で使えるクーポンが賞品です。

このお店は毎年、1月の集客に悩んでいました。(そういうお店、結構多いと思います) そこで、今回は上記のような仕掛けを用意。

フタを開けてみると、1月半ばで30万円の売上UP!何もしなければ、なかったはずの売上です。

最終的にはこの仕掛けでの1月の売り上げが約50万円になりました。月商200万のお店ですから、大満足の結果といえます。

以前の集客手法

このお店、以前は新メニューの告知とか、周年祭とか、クリスマスなど、お店の都合で“お客さんを呼びたい時だけ”広告を使って呼びかけていました。

(割引や特典がいっぱいのクーポンをつけて)

しかし、こういうことを繰り返していると、集まってくるのは、クーポン目当ての人ばかり。本来お店が来て欲しいお客さんとは違う人たちです。

当然、お店のムードも変わります。結果、大切な常連さんまで離れていく始末。このやり方ではまずい!オーナーも気付き始めたのですが、変わりにどんな手を打てばいいかわからない・・・

私がご相談を受けたのはそんな時期、2015年の夏でした。

「忘れられないお店」になるための取組

さっそく「お客さんとの定期的な接触」に取り組んでいただくことに。

実はこのお店、利用していただいたお客さんにはアンケートを書いていただいてました。(残念ながらそのリストは活用されていませんでしたが)

すでにアンケート収集という、リスト収集の仕組みは動いていたので、比較的スムーズに導入でき、約1ヶ月で業績に変化が現れてきました。

それまでは、そのつど広告で集客していたため、お客さんとの接触が『散発的』で『場当たり的』でした。これでは【忘れられないお店】にはなりえません。

「お客さんとの結びつきの深さは、接触頻度に比例する」

これは、飲食店に限らずいえる原理原則です。しかも、この効果は直接会うだけじゃなく、電話、手紙、メールなどでもその効果を発揮します。

このお店がとった手法はいたってシンプル。

1.来店客にアンケートを実施してリストを収集

2.ご利用いただいた直後(一週間以内)にハガキでお礼状を送付

3.以後は毎月定期的にハガキDMを送付

これで徐々に売り上げの波が小さくなりました。正確には再来店率がかなり上がってきたのです。

最初はどんな情報を発信すればいいのか悩んでいらっしゃいましたが、コラム第4話でも詳しくご紹介した【DMで好反応を得るための7つの原則】を守り、月1のペースでDMを出し続けていただきました。

取り組み始めて約半年、確かな手ごたえを感じていただくことができたのです。

「点」と「線」の違い

広告での『散発的』『場当たり的』なアプローチ。これは接触で言えば【点】

このお店は、定期的なアプローチを始め、お客さんと【線】で接するようになりました。

どちらのやり方が【忘れられないお店になる】かは言うまでもないでしょう。


【土屋先生からの問いかけ】

あなたはお客さんと【点】で接していますか?それとも【線】で接していますか?繁盛店のほとんどは【線】で接触しています。

コロナ禍の今、飲食店の利用機会が減っています。そして、時間とともに、魅力あるお店も忘れられてしまいかねません。そうならないために、今こそ「お客さんとの定期的な接触」に取り組んでいただければと思います。

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