第8話 お店の“ブランド化”

前回のコラムで、ハガキDMやLINEメッセージの反応を5倍にも10倍にもしてくれる“ブランド”のパワーについて事例を交えてお話しさせていただきましたが、今回からは、どうすればあなたのお店を“ブランド化”できるか、という点についてお話ししていきたいと思います。

ブランドってそもそも何?

その語源は「焼印をつけること」を意味する brander という、北欧の古い言葉から派生したものであるといわれています。放牧している家畜に自らの所有物であることを示すためのものでした。

■ブランド昔ばなし

昔々、ヨーロッパのとある村に、ジェームズさんという人が住んでいました。彼は村一番の美味しい牛(肉牛)を育てている牛飼いでした。

ある時、その地方の大きな町で、盛大な牛の競り市が開かれることになったので、ジェームズさんも自慢の牛を引き連れて参加しました。しかし、さっぱり値がつかず、まったく売れません。彼はがっかりして村に帰りました。さらにその帰り道、泥棒に遭い、大切な牛を盗まれてしまったのです。

その後ジェームズさんは、誰かに盗まれたりすることのないよう、自分の牛すべてに名前の頭文字である「J」という焼印を押しました。

3年の月日が流れました。再びあの町で大きな競り市が開催されました。そしてなんと今回は、ジェームズさんの牛に一番の高値が付いたのです。小さな村の牛飼いが育てた牛が、有名牧場も参加しているこの競り市で一番高値を付けたのは初めてのことでした。

ジェームズさんはもちろんうれしかったですが、ちょっと不思議でもありました。

3年前と牛の育て方や、与える食事などは一切変えていません。唯一の違いは

自分の牛に焼印を押したことぐらい・・・

しかし、そのことが大きな変化をもたらしました。 それまで「ジェームズさんの牛は美味い」という情報(魅力)は、彼の村の人しか知りませんでしたがが、焼き印を押すことによって「Jマークの牛は美味い」と、いう情報になり、ジェームズさんを知らない人にも広がっていったのです。その結果、彼の牛は一番の高値が付いたのです。

ブランド化の説明図
ブランド化とは? ブランド昔話

これがブランド化。魅力(お店の価値)を【記号化】することで、多くの人に非常に効率的・効果的に魅力が伝わっていくというわけです。

魅力をうまく【記号化】できれば、既存客の再来店率アップにも、新規客の集客アップにも大きな威力を発揮する。それがブランドのパワー。

ブランドのロゴ、イメージキャラクター、テーマソングなどに、各企業やお店が大きな予算と力をかけるのもうなずけます。

そして、人口減少&情報洪水という二つの嵐が吹き荒れている今、ブランドはもはや大手や有名店だけのものではありません。個人や中小企業もブランド化していかないと生き残れない、そういう時代です。 

しかし、地域密着のお店の“ブランド化”は、大手企業や有名店とはやり方が違いますのでご注意ください。続きは次回お伝えします。